産学行政連携支援

研究会の設立趣意書

名古屋市では21世紀をになう新産業の創造を図るため、平成6年10月に『世界都市産業会議』を開催し、6つの新分野に重点をあてて今後の取り組みを議論いたしましたが、その中の一つである「エンバイアメント」(環境創造)産業の創出に向けて、今般、インバース・マニュファクチャリング・システム(IMシステム)研究会を発足させることになりました。
その後、研究会の名称は「資源循環型生産システム研究会」、さらに「資源循環型ものづくり研究会」と改称しました。

IMシステムについて、名古屋市では次のように考えております。

これまでのような産業発展が世界的に拡大し続ければ、有限な資源は枯渇し、地球環境が損なわれるなど、重大な影響を与える恐れがあります。このため、資源やエネルギーを最大限有効活用し、工業製品の廃棄を極力抑制し、環境への負荷をできるだけ軽減させようという考え方が、国際的にも広く認識されるようになってきました。

●工業製品のライフサイクルに着目すると、これまでの生産プロセスには、設計→生産→販売→消費→廃棄という流れがありました。このような生産プロセスを「順工程」と呼ぶならば、「逆(インバース)工程」(使った資源の回収、再製品化、再材料化、再エネルギー化など)という考え方も成り立ちます。

●しかし、資源のリサイクル、生分解性プラスチックの開発など、これまで部分的に研究が進められてきた逆工程の技術には、コストが高くつく、品質に難点があるというような問題があり、これを解決するためには部分的なリサイクルでなく、リサイクルのシステム化が必要であると思います。

●IMシステムは、当初からリサイクルしやすい材料で設計する、リサイクルしやすいような組み立てを行う、有効資源を再利用するリサイクルラインをつくるなど、当初から逆工程を組み込んだ、これまでにない新しい生産システムであると考えます。

●このシステムの重要性については、『世界都市産業会議』の基調講演「日本の製造業を変革する指針」の中で、東京大学の吉川弘之総長が、世界的な産業技術集積を誇る中部が取り組むべき課題として提言されています。

●IMシステムに積極的に取り組むことは、企業経営にマイナスをもたらすのではなく、逆に、製品の性能アップやコストダウンにつながり、企業イメージや製品イメージの向上につながるという事例も出てきています。

● IMシステム研究会は、当地域の産・学・行政の研究者で構成し、業界ごとのリサイクルの実情と問題点に関する事例研究を行いながら、問題の体系化とそれを解決するための研究課題の絞り込みを行い、リサイクル適応型材料とリサイクル対応型加工・組立技術の開発、新しい材料製造プロセスと廃棄物処理プロセスの研究を行おうというものです。

平成7年6月
名古屋市経済局商工部