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令和7年度の成果事例
CASE.01
有限会社エムアンドティー
ドローン取得データの解析工程をデジタル化し精度向上と業務効率化
企業プロフィール
- 企業名
- 有限会社エムアンドティー
- 業種
- 建築設計監理
- 住所
- 〒460-0008
名古屋市中区栄1丁目31番41号
- 電話番号
- 052-222-4044
課題
ドローン取得データの処理・解析工程のデジタル化不足

当社は愛知県を拠点とし、地域に根差した建築設計事務所です。病院・工場・物流施設・オフィスビルなど、公共性や技術難度の高い建築設計を中心に事業を展開しています。これまでに外資系製薬会社の研究施設や総合病院の設計を手がけ、大手ゼネコンとの協業実績も多数あります。一級建築士が2名在籍しており、幅広い業務に対応できる体制を整えています。

当社では、建築設計やドローン点検業務において、AutoCADを活用した設計図面の作成や電子納品に対応するとともに、ドローンによる空撮・点検業務を実施しています。しかしながら、取得したデータの処理や計測作業の多くは依然として手作業に依存しており、業務効率や作業精度の向上に課題が残っていました。特に、画像解析や飛行軌跡の作図などについては自動処理の仕組みが整備されておらず、作業負担が大きい状況でした。業務の効率化と高度化を図るためには、3D点群処理ソフトや軌跡シミュレーションシステムなどの導入を進め、データ処理のデジタル化・自動化を推進していくことが急務となっていました。
取り組み内容
設計・点検業務の精度向上と効率化
■補助事業前の状況 構造物の点検作業

当社では、ドローンを活用して工場等の施設を撮影し、建物の外壁や屋根などに劣化や損傷がないかを確認する点検業務を行っています。撮影した画像データについては、その後、担当者が内容を確認しながら手作業で整理し、AutoCADを用いた設計図面へ反映しています。しかし、この設計図への反映作業は多くの工程を手作業で行っているため、1案件あたり約4~6時間を要しており、業務効率の面で大きな負担となっていました。
■補助事業後の状況
ドローン等で取得した画像データをもとに3D点群処理ソフトを導入することで、高精度な3Dモデルを生成し、構造物の形状や劣化状況、寸法を視覚的に把握・記録できるようになりました。これにより、従来手作業で行っていたデータ整理や図面化の作業が効率化され、作業時間を約40%短縮することが可能になります。
また、橋梁や高架構造物などの複雑な形状の構造物や、損傷箇所の特定精度が求められる公共案件にも対応でき、より正確で分かりやすい点検報告書や提案資料の作成が可能になりました。

車両走行軌跡作図システムを導入することで、マウス操作による直感的な操作で車両軌跡図を簡単かつ迅速に作成できるようになりました。これまで手描きや概略図で行っていた車両走行軌跡の検討を、CAD上での軌道シミュレーションと自動作図により行うことが可能となり、提案図面の作成時間を約50%削減できました。

今後のデジタル化への取り組み
今回導入したシステムは、当社の設計・点検業務の精度向上と効率化の基盤となります。
今後は、3Dモデルや走行シミュレーションを活用したオンライン打合せや遠隔設計支援を進め、移動時間の削減と説明の高度化を図ります。
また、データを継続的に蓄積し、顧客ごとの施設データを管理するデジタル台帳の構築や、点検・レイアウト変更を継続的に支援できる体制づくりを目指します。さらに、作業手順をデジタル基準で統一し、生産性向上とサービス品質の安定化を図ります。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
今回の取り組みは、設計・点検業務のデジタル化を進める重要な取組であり、業務効率の向上だけでなく、提案力や説明力の強化にもつながるDX推進の基盤となるものと評価します。今後は、3Dデータの蓄積と活用を進めることで、さらなる業務高度化と付加価値の高いサービス提供につながることが期待されます。
CASE.02
株式会社エムシーセンター
業務の流れを可視化し既存RPAを改善
企業プロフィール
- 企業名
- 株式会社エムシーセンター
- 業種
- 石油製品卸・小売業
- 住所
- 〒467-0811
名古屋市瑞穂区北原町3-10
- 電話番号
- 052-253-8014
課題
業務データの連携不足による手作業と転記ミスの発生
当社は1979年に創業し、石油製品の卸売・小売を行っております。主に東海3県の建設・土木業者を主要顧客とし、燃料の供給に加えて配送や現地での給油を組み合わせた 「燃料油安定供給サービス」を提供しており、全国の石油販売業者とのネットワークを活用した安定供給体制と、地域企業との長年の信頼関係を強みとしています。特に、燃料インフラが整っていない建設現場や仮設施設などに機動的に対応する「パトロール給油」を主力事業とし地域密着型のサービスを通じて、建設・土木業界を支えるエネルギー供給企業として地域経済の発展に貢献しています。


当社ではこれまで業務効率化のためにRPAを導入してきましたが、各業務ごとの単独運用にとどまっており、受注・請求・入金・仕入といった業務間のデータ連携が十分に行われていませんでした。そのため、業務間の情報連動がなく、Excel間でのコピー&ペーストや手入力作業が依然として発生していました。また、請求金額や仕入単価の転記ミスが発生する可能性があり、確認作業にも多くの時間を要するなど、業務効率や正確性の面で課題がありました。
取り組み内容
業務プロセス全体の自動化と連携
■補助事業前の状況
Excelは個別管理で業務間のデータ連携がなく、既存のRPAも業務単位の単独運用にとどまっていました。そのため、業務間連携や複数人での活用ができず、事業拡大に対応できない構造的な課題を抱えていました。
■補助事業後の状況
見積・受注・請求・入金・仕入までを一連の業務フローとして自動化することで、これまで分断されていた業務間の連携を実現しました。また、転記・集計・消込作業を自動化したことにより手作業を大幅に削減し、入力ミスの防止にもつながっています。さらに、これまで月末に集中していた請求・集計業務を平準化することで事務処理の負荷を軽減しました。加えて、業務手順の標準化により特定の担当者に依存しない体制を構築し、限られた人員のままで業務効率とサービス提供能力の向上を実現しました。
今後のデジタル化への取り組み
当社は複数の仕入先と取引を行っており、取引条件や地域性の違いにより業務管理が複雑化しています。今後は、本事業で導入したシステムを活用し、仕入情報や取引条件の管理業務についてさらなる効率化を進めていきます。あわせて、受発注業務についても段階的なデジタル化を検討し、業務プロセス全体の最適化を図ります。これにより、事務作業に要する時間を削減し、営業活動などの付加価値の高い業務へ人的資源を配分できる体制の構築を目指します。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
本事業では、見積から仕入までの業務フローをRPAで連携させることで、これまで分断されていた業務プロセスの効率化と標準化を実現しています。手作業の削減や入力ミスの防止、属人化の解消につながる取り組みであり、限られた人員でも事業拡大に対応できる基盤整備として評価できます。今後は受発注業務のデジタル化を進めることで、業務プロセス全体のDXがさらに進展することを期待します。
CASE.03
株式会社法研中部コネクトワークス
AIによる通話内容の可視化・データ化を通じたコールセンター業務のDX化
企業プロフィール
- 企業名
- 株式会社法研中部コネクトワークス
- 業種
- その他の事業サービス業
(健康保険組合各種事業の代行)
- 住所
- 〒460-0002
名古屋市中区丸の内3丁目7番19号
- 電話番号
- 052-228-8236
課題
業務の属人化と紙中心の運用による業務効率の低下
当社は、2019年に設立された企業であり、設立50年の実績を持つ株式会社法研中部のグループ会社として、健康保険組合等の保険者を対象に、法定業務の代行や健康経営・保健事業の支援サービスを提供しています。 主な事業として、被扶養者資格調査事業では保険者に代わって被扶養者資格の適正確認を行い、給付の適正化や経費削減を支援しています。また、特定保健指導事業では、管理栄養士による面談や電話指導を通じて生活習慣改善を支援し、データ管理から継続支援まで一体的に対応しております。


当社では、被扶養者資格調査事業におけるコールセンター業務が特定担当者の経験や手作業に依存しており、業務の属人化による負荷の偏りやミス、引き継ぎの困難さが課題となっています。また、紙中心の業務運用が残っているため、情報の検索・共有・集計に時間を要し、業務効率やサービス品質の向上を妨げています。さらに、業務の標準化や可視化が進んでいないことからナレッジ共有が進まず、人材の確保・育成や組織的な業務運営が難しい状況となっています。
取り組み内容
AI活用でコールセンター業務をDX化
■補助事業前の状況
現在の業務の流れは、ユーザーからの問い合わせや照会事項にコールセンターで対応した後、通話内容を担当者が手書きメモとして記録しています。その後、通話メモを整理しながらパソコンでデータ化し、最終的に報告書を作成する流れとなっています。しかし、この一連の作業はすべて人手による処理となっており、手書き記録による誤字・脱字や入力ミス、確認漏れが発生する可能性があります。また、メモ整理や入力作業はアナログかつ非効率な記録作業となっており、業務負担の増加につながっています。業務全体が手作業に依存している状況となっています。
■補助事業後の状況
コールセンター業務の効率化と品質向上を目的として、AIにより通話内容を可視化・解析できるクラウドサービスを導入しました。従来の固定電話からインターネット電話へ移行し、通話内容を録音と同時にリアルタイムで文字起こしすることで、手書きメモや入力作業などの手作業を削減しました。
また、通話内容をテキストデータとして確認できるため、苦情対応時にも客観的な記録を提示でき、信頼性の向上につながっています。さらに、AIによる通話分析によりオペレーターごとの強みや改善点が示されることで、応対品質の向上にも活用しています。
その結果、通話実績に基づく各種レポートの自動生成が可能となり、入電4,051件に対して約810時間の業務時間削減を実現しました。
今後のデジタル化への取り組み
今後は、リアルタイム文字起こしの精度向上に向けてユーザー辞書を充実させ、業務効率化の基盤強化を図ります。また、タグクラウド機能やリアルタイムFAQ、ヘルプサインなどの機能をさらに活用し、サービス品質の向上と業務効率化を進めていきます。さらに、通話内容のデータベース化を進め、質問内容に応じて窓口へ振り分ける自動応答システムの導入を検討するとともに、蓄積した通話データを活用したコンテンツの開発も進めていきます。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
本事業は、AIを活用した通話データの可視化・分析により、コールセンター業務の効率化と品質向上を実現するとともに、業務の標準化やナレッジの蓄積を可能とする基盤を構築した点に意義があります。今後は蓄積されたデータを活用したサービス高度化や新たな事業展開も期待され、DXによる業務変革の好事例と評価できます。
CASE.04
株式会社葵フーズディナーズ
レシピ管理業務のデジタル化と属人化解消
企業プロフィール
- 企業名
- 株式会社葵フーズディナーズ
- 業種
- 食品製造業
- 住所
- 〒468-0053
名古屋市天白区植田南三丁目104
- 電話番号
- 052-803-3633
課題
レシピ管理の非効率な手作業運用
当社は1970年の設立以来、業務用食品および高付加価値レトルト食品の製造・開発を行っており、レトルト・冷凍を中心としたソースや惣菜を外食産業、宿泊施設、量販店、サービスエリア等へ提供しています。
また、OEM開発にも積極的に取り組み、「料理人が調理場で行う工程を再現できる工場」を強みとして、レシピや肉のカット方法、原材料指定などお客様のこだわりに柔軟に対応しています。近年、食品業界では人手不足を背景に、調理負担を軽減できる高品質なOEM製品への需要が拡大しおり、当社は委託製造による調理工程のアウトソーシングを通じて、顧客のコスト削減・省人化・品質維持に貢献し、安全・安心な製品の安定供給を目指しております。


当社では、専門性の高い業務が特定の担当者に集中しており、業務の属人化が進んでいます。また、レシピ管理や原材料の計算・登録などの工程では手作業が多く、作業負担の増大や人的ミスのリスクが高い状況です。さらに、生産現場では慢性的な人手不足が続いており、安定した製造体制の維持が年々難しくなっています。 このため、レシピ作成や管理などの上流工程をシステム化し、業務の効率化と人的リソースの最適化を図る必要があります。
取り組み内容
レシピ管理業務のデジタル化による省力化
■補助事業前の状況
現在はExcelによる手入力・手計算が中心となっており、開発担当者への業務集中や転記ミスのリスク、入力作業の負担が課題となっています。また、紙媒体での手計算によるダブルチェックを他部門と連携して実施していますが、作業時間の増加や計算ミスなど、確認精度の面でも課題がありました。
■補助事業後の状況
本事業により、当社基幹システムに「レシピ開発管理システム」機能を追加し、レシピ作成時の各種計算および第三者確認を自動化しました。これにより、従来確認作業を担当していた2名を生産現場の作業支援や障害者雇用の教育業務へ再配置することができました。
また、経験や知識が必要だった第三者確認業務を自動化したことで担当者の選任が不要となり、業務の属人化防止にもつながりました。
さらに、2026年3月には新型レトルト台車の導入を予定しており、処理能力の向上と製造数量の見直しを通じて、計画書で掲げた増収の実現に向けた取組みを進めていきます。
加えて、本事業による効率化の成果を活かし、2025年度には賃上げを実施しました。今後も段階的な賃上げを予定しており、正社員・パート社員の採用や新卒者の雇用など、雇用の拡大にも取り組んでいきます。
今後のデジタル化への取り組み
今後のデジタル化に向けた取組として、原材料計量時に使用している表示札の運用を見直し、手書きによる記入からシールの一括発行へと変更することで、記入作業や第三者確認作業の省力化を図ります。また、岩村工場から本社への製品転送については、外部委託から自社便(3tトラック)での運行へ段階的に切替え、原材料の直接引取と組み合わせることで輸送効率の向上とコスト削減を目指します。併せて運行管理のシステム化を進め、今後の集荷先増加にも対応できる効率的な運行計画の作成を実現していきます。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
本取組は、これまで手作業に依存していたレシピ管理や計算・確認作業をデジタル化することで、業務の効率化と正確性の向上を図るものです。これにより、人的ミスの防止や業務負担の軽減、属人化の解消が期待されます。今後は蓄積されたレシピデータを活用することで、製品開発や生産管理の高度化にもつながるDXの基盤整備として評価できる取組であると考えます。
CASE.05
株式会社M-aid
医療MaaS×ドローンによる次世代地域医療モデルの構築
企業プロフィール
- 企業名
- 株式会社M-aid
- 業種
- 医療システムサービス
- 住所
- 〒450-0002
名古屋市中村区名駅4-6-17
名古屋ビルディング11階
- 電話番号
- 052-551-6662
課題
持続可能な医療配送モデルの確立不足
当社は、ドローン技術と医療モビリティ(医療MaaS)を活用し、地域医療のアクセス向上を目指す事業に取り組んでいます。公益財団法人名古屋産業振興公社の令和6年度「ドローンロボット技術サービス産業創出事業」に採択され、二等無人航空機操縦士の資格取得(5名)および名古屋市内での実証実験を実施しました。現在は、既存の医療MaaSとドローンを組み合わせ、オンライン診療・オンライン服薬指導と連携した医薬品配送の実現を目指しています。特に交通アクセスの不便な地域や高齢者・障害者への医療提供を強化するとともに、災害時の医療物資輸送など防災分野での活用にも取り組んでいます。


当社は医療MaaS(医療モビリティ)の実績を有する一方、ドローン活用については実証段階に留まっており、サービスとしての事業化には至っておりませんでした。その要因として、自社機体未保有による運用基盤の未整備、法制度対応の不確実性、技術・ノウハウの不足、ならびに投資負担の大きさが挙げられます。これらの課題により、医療MaaSとドローンを統合した持続可能な事業モデルの確立が遅れていました。
取り組み内容
医療配送モデル構築に向けた専用ドローンの開発
■補助事業前の状況
医療MaaS車両に関しては名古屋市での実績は蓄積しているものの、ドローンに関しては資格取得や実証実験を行った後の課題が残っていました。
1. サービス運用面の課題
現在は実証レベルで、パートナー企業からのレンタルドローンを使用しており、自社専用のドローン機体を所有していないため、サービスの構築には進んでいません。
2. 法制度・規制対応の課題
ドローンによる医薬品配送において、各種法及び規制に対応するために専用ドローンの開発が必要でした。
3. 技術導入・運用の課題
自社のドローン機体がないため、現場スタッフの研修体制やマニュアル整備が追いついておりませんでした。
■補助事業後の状況
本事業の実施により、既存の医療MaaS(医療モビリティ)にドローンを本格導入し、名古屋市内を中心に「オンライン診療・オンライン服薬指導」と「医薬品配送」を一体化した新たな医療提供モデルを構築する準備が整いました。
具体的には、医療MaaS車両から離発着可能な医薬品配送ドローンを導入し、初期段階として3台を配備しています。これにより、医療MaaS車両間をドローンで接続し、オンライン診療および服薬指導後に医薬品を迅速に配送する体制が確立されています。
本モデルの構築により、通院が困難な高齢者や障害者、交通アクセスに制約のある地域住民に対して、迅速かつ確実な医療サービス提供が可能となり、地域における医療アクセス格差の解消に寄与できると考えています。
今後のデジタル化への取り組み
今後の取り組みは段階的に進めていきます。2026年までの短期では、名古屋市内で医療MaaSとドローン配送を連携させたサービスを開始し、運行ルートや業務フローを確立します。2027〜2029年の中期には、名古屋市で得た実績を基に愛知県内や近隣地域へ展開し、自治体等と連携した地域特性に応じた運用モデルを構築します。さらに、診療・服薬・配送データを統合し、業務効率化や医療の質向上を目的としたデータ活用を進めます。2030年以降は、地方や山間部など医療資源が限られる地域への展開も視野に入れております。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
本事業は、医療MaaSとドローンを組み合わせ、オンライン診療・服薬指導と医薬品配送を一体化した先進的な取組であり、地域医療の課題解決に資するものと評価します。通院が困難な方への医療提供を実現している点も意義があります。今後は、運用コストの最適化や他地域への展開を進めることで、さらなる効果の拡大が期待されます。
CASE.06
株式会社稲熊製作所
溶接ロボット導入による生産性向上
企業プロフィール
- 企業名
- 株式会社稲熊製作所
- 業種
- 金属製品製造業
- 住所
- 〒457-0068
名古屋市南区南野2丁目186番
- 電話番号
- 052-613-1571
課題
当社は、板金加工、プレス加工、溶接による組立により、事務機器、医療機器、食品関連器具、建築部品等の製造を行っています。 現在の製造面における経営課題は、①人手不足の解消、②ヒューマンエラーの削減です。 抜き工程、曲げ工程、溶接工程のうち、特に溶接工程において人手不足が生じており、生産のボトルネックとなっていました。また、作業者によるヒューマンエラーの発生により、仕損の発生も課題となっています。


取り組み内容
ロボットアームにタッチセンサーとアークセンサーを搭載した最新型の溶接ロボットを導入しました。トーチ(金属材料を加熱、溶接、切断するために使用される先端器具)の位置を適切に制御することで、経験5年以上の熟練工の手の動きを再現し、初心者でも同等の品質で溶接作業を行うことが可能となりました。
これにより、溶接時間の短縮と品質の向上を実現しました。
また、同ロボットで使用する溶接装置には新機能であるシンクロフィードモードが搭載されており、スパッタ(溶接作業中に発生する小さな金属粒子や飛散物)の発生を従来の5分の1に低減しました。その結果、溶接後のスパッタ取り作業の時間を4時間から0.8時間へと大幅に短縮することができました。


今後のデジタル化への取り組み
今回のロボット導入により、生産工程におけるボトルネックが解消されました。 今後は、当社の強みである企画・開発・試作・量産までの一気通貫サポートと、多品種少量生産体制を生かし、顧客ニーズに沿った製品受注を拡大するため、営業力の強化を図る予定です。 その一環として、今後3年間でRPAによる営業事務の自動化やOCRの導入を進め、過去の生産情報や見積りのデータベース化を行います。これにより、AIを活用した生産業務や見積業務の効率化と属人化の解消を図る計画です。
ロボットコーディネーターからのコメント
名古屋市新事業支援センター
ロボットコーディネーター
吉田信人
同社はこれまでもロボットによる製造工程の自動化に取り組んできましたが、今回の取り組みは、単なるコスト低減を目的とした省力化・無人化ではありません。自社の強みと顧客ニーズを捉えた新規売上の拡大という営業戦略と、それに対応するための生産性向上という全社戦略が整合した取り組みといえます。
令和6年度の成果事例
CASE.01
株式会社北川組様
周辺システムと基幹システムを連携しデータ活用を推進
企業プロフィール
- 企業名
- 株式会社北川組
- 業種
- 総合建設業
- 住所
- 〒467-0807
名古屋市瑞穂区駒場町七丁目4番地
- 電話番号
- 052-853-1100
課題
基幹システムへのデータ収集

当社は1872年に創業した総合建設業の会社です。創業150年を迎え、過去には名古屋城、東山公園等の工事にも携わっております。現在の事業内容は総合建設業としてマンション、社屋等の企画から設計・施工、一般住宅の設計・施工を行っており、取引先は各自治体、官公庁、法人、個人、設計事務所、デベロッパー等多岐にわたります。

デジタル化ができない作業が多いと感じていたり、現場での変更が多くデータ更新が面倒という理由から建設業界はDX化が進みにくい業界と言われる中、自社では全社的にDXを推進すべく、自社基幹システムの刷新を進めていました。基幹システムの刷新により「工事案件のシステム化」「顧客ごとの案件管理のデータベース化」「工事案件ごとの社内外経費原価管理」ができるようになりましたが、見積システムが独立していることや小口現金など管理機能が無い部分があり、基幹システムとの連携で手間になっているという課題がありました。
取り組み内容
周辺システムを基幹システムと連携
■補助事業前の状況

①既存見積積算システムと基幹システムの連携
見積積算システムを基幹システムと自動連係し、データの再入力などの手間を省く。基幹システムにデータを集約することでデータ分析などDXの推進を図る。
②工各工事現場で発生する小口現金管理のシステム化
工事担当者の小口現金精算作業の効率化を図る。それとともに小口現金の経費の原価管理を実現する。
■補助事業後の状況

今後のデジタル化への取り組み
今回の補助事業で終わりではなく、今後も全社的にデジタル化を推進するために、基幹システムにデータを収集するよう新たなプロジェクトを立ち上げております。今後は、収集したデータを活用し、データに基づいた営業戦略の策定、適正な原価管理による利益確保など企業全体の競争力強化につなげてより効率的で収益性の高い事業運営を目指します。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
中々、DX化が進んでいない建設業の中で、DXへの理解が全社に浸透しており、継続的にIT化を進めている良い事例です。またデータを集約し一元管理し蓄積されることでDXの推進となると考えられます。
CASE.02
MARUJOU株式会社様
検査工程をAI画像認識で自動化
企業プロフィール
- 企業名
- MARUJOU株式会社
- 業種
- 窯業・土石製品製造業
- 住所
- 〒451-0042
名古屋市西区那古野1丁目1番8号
- 従業員数
- 27名
- 電話番号
- 052-501-2587
課題
検査工程が人による作業のためコストがかかる
当社は、1949年に愛知県名古屋市にて創業し、72年の歴史を持つ板ガラス二次加工・販売会社です。国内トップでガスグリル窓用強化ガラスの8~9割のシェアを誇ります。モバイル機器、フラットパネル、タッチパネル、家庭用調理器具、アミューズメント製品、特殊ガラス等各種用途の幅広い分野へガラスを加工・販売しています。主要製品のシェアは非常に高く、80%~90%のシェアを有します。
■主要製品
ロースター、グリル用ガラス

計量器用カバーガラス

自社内では販売管理システムや在庫管理システムを導入しIT化を進めています。しかし、製造現場は機械化されているものの、検査工程は人による作業であるため見逃しによる検査ミスも発生しています。また、短い時間で、個片の全数目視欠陥検査を実施していますが、人員3人が必要で検査コストも大きくなっていることが課題となっていました。
取り組み内容
AIによる画像認識製品検査の実施

今回の補助事業では、AIによる画像認識製品検査システムの構築を進めました。具体的な内容としては、製品は、ローラー上を移動した後に検査を行い、適切に収納される仕組みとなっていますが、ローラー上を移動している時間を活用し、カメラで撮影した画像をAIで解析することで不良を検出する仕組みとなっています。事前に多くのサンプル画像をAIに学習させておくことで、精度高く良品・不良品の判別をすることが可能となっています。
照明を照らし撮像

モニターに不良品を表示

今回導入した設備により検査が可能となることで従来3名必要だった検査工程を1名で対応できるようになりました。これにより、人員を生産工程の訓練に振り分け、将来的な増産(20%増)に備えています。
また、検査の精度向上と不良品の分類による原因究明は、データの蓄積後に本格化しますが、これにより品質向上や歩留まり改善が期待できます。
今後のデジタル化への取り組み
今後も製造工程のデジタル化に取り組んでいく予定でおり、まずは老朽化が進んでいる強化炉をデジタル制御を可能とする新規設備を増設する準備を進めています。2025年末には設備の導入、立ち上げを完了し、2026年初めには、生産を開始する予定です。これにより、生産能力は従来より20%アップが可能となる予定です。これ以外にも、自社のデジタル化を推進していきたいと考えています。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
人が作業している検査工程をAIによる画像認識で自動化する流れは、今後中小企業においても増えていくと思われます。自社の製造工程を精緻に把握した上で効率的な仕組みを構築したことも伺えます。システム構築による生産性向上と品質向上が同時に図られる中小企業が目指すDXの良い事例です。
CASE.03
モリカワペーパー株式会社様
新Webサイトでユーザーエクスペリエンスを向上
企業プロフィール
- 企業名
- モリカワペーパー株式会社
- 業種
- 印刷・同関連業
- 住所
- 〒451-0044
名古屋市西区菊井一丁目22番23号
- 従業員数
- 11名
- 電話番号
- 052-571-3306
課題
小規模組織特有のマーケティング不足が悩み
当社の創業は大正11年(1922年)で2023年に社名をモリカワペーパー株式会社に変更しております。長い歴史を通じて培われてきた技術は、現在、30代のスタッフを中心に受け継がれています。経験・感覚・技術を最大限に活かしながら、時代の変化に対応し、少量ロットから通し枚数1万枚を超える大規模ロットまで、品質と信頼を第一に考え、お客様の多様なニーズにお応えしております。


弊社は、多様な製品ラインと職⼈技術を強みとし、環境に優しい製品の需要増加や地域以外での市場やグローバル市場への進出を成長の機会と捉えています。しかし、⼩規模な組織とマーケティングの不⾜が弱みであり、競争の激化や経済的不確実性が脅威となります。今回の補助事業では小規模であるが故に不足しているマーケティング力を強化することを課題と捉えました。
取り組み内容
ユーザーフレンドリーなWebデザインへ
弊社は新規受注の拡大を目指し、ウェブサイトをリニューアルしました。人手不足や採用後の資金面の不安を解消するため、オンライン上でのプレゼンスを高め、限られた人員でも効率的に受注を増やすことを目的としています。まず、ユーザーフレンドリーなデザインへ変更するとともに、フォントサイズやカラーを見直し、視認性を向上させております。また、ナビゲーションメニューを整理し、主要コンテンツへのアクセスを容易にしました。次に、製品情報の整理と強化を行い、新たに「事例紹介」ページを設け、オーダーメイドバインダーやパッケージなどの事例を写真付きで詳しく紹介しました。さらに、「プロジェクト」ページを新設し、紙加工の可能性を探る製品企画・製造・販売の取り組みの発信とテンプレートのダウンロード機能を追加し、利便性を高めております。


SEO対策としては、「紙加工」「オーダーメイドバインダー」などの関連キーワードを最適化し、検索エンジンでの上位表示を狙いました。加えて、メタタグや構造化データを整備し、検索エンジンがサイト内容を正確に認識できるようにしました。最後に、問い合わせフォームの入力項目を簡素化し、ユーザーがストレスなく問い合わせできるよう改善しました。これらの取り組みにより、限られた人員でも効率的に受注を拡大できる環境を整えました。
今後のデジタル化への取り組み
今回のウェブサイトリニューアルを起点に、今後はデータ活⽤を強化し、SEOやデジタルマーケティングを本格的に導⼊することで新規顧客の獲得を加速させます。また、オンライン受発注の仕組みを構築し、業務のデジタル化を進めることで、限られた⼈員でも効率的に事業を拡⼤できる体制を整えていきます。さらに、ECサイトやデジタル販路の拡⼤により、B2B向けだけでなくB2C向けの展開も視野に⼊れ、モリカワペーパーのブランド価値をより多くのユーザーに伝えていく計画です。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
今回のウェブサイトリニューアルにより、デザインの洗練度が増し、ユーザビリティが大幅に向上したことが伺えます。利用者の視点に立った工夫がなされており、貴社の細やかな配慮を感じました。今後のデータ活用強化やデジタルマーケティング本格導入も期待が持てます。
CASE.04
エピソード・ラーニング株式会社様
生成AIを活用し教育コンテンツ用脚本を作成
企業プロフィール
- 企業名
- エピソード・ラーニング株式会社
- 業種
- その他教育・学習支援業
- 住所
- 〒466-0059
名古屋市昭和区福江二丁目9番33号 ナビ白金 222号室
課題
脚本制作に時間とコストがかかることが課題
当社は、オンラインでエピソード・ラーニングを提供しています。これは物語をベースにした教育手法で、会話劇内での間違い発言を指摘やスルーすることで、状況に即した知識が得られ、理解度も測ることができます。
顧客のニーズに合わせて受注制作を行うことも多く、その脚本制作には時間がかかり、高い制作費用が課題となっていました。

取り組み内容
人間と複数の生成AIが脚本を共同執筆
今回の補助事業では、脚本制作の効率化を実現するために生成AIを活用したシステムを導入しました。このシステムの上で人間と複数の生成AIが共同執筆することで、脚本制作時間が平均で
1/10に短縮されました。
また誰でも一定の品質の脚本が制作できるようになり、教材品質が安定しました。教育内容に知見はあるが脚本が制作できない専門家でも容易に脚本を制作できるようになり、制作可能な教材の範囲が広がりました。
■補助事業前の脚本制作の流れ

■補助事業後の脚本制作の流れ


今後のデジタル化への取り組み
今回導入した脚本 AI 生成システムは、更なる改善の余地があると考えています。
まず、プロンプトを改良して品質を向上します。また、制作条件や生成した脚本データをデータベースに保存し、参照しやすく管理しやすくします。さらに、演出効果設定や脚本アップロード機能を統合し、利便性を高める予定です。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
生成AIを活用した脚本制作は、まさにクリエイティブの新時代を切り開く素晴らしい試みです。AIの持つ圧倒的なスピードを活かしながら、人間ならではの繊細な感情表現や文化的なニュアンスを加えることで、これまでにない魅力的な脚本が生まれる可能性があります。AIと人間が協働することで、創作の幅が広がる非常に良い事例です。
CASE.05
株式会社小島製作所様
kintoneでデータの一元管理を実現
企業プロフィール
- 企業名
- 株式会社小島製作所
- 業種
- 建設設備用排水器材の製造販売
- 住所
- 〒454-0027
名古屋市中川区広川町5丁目1番地
- 従業員数
- 55名
- 電話番号
- 052-361-6551
課題
複数システムがバラバラでデータ集約が属人化している
当社は、マンションや学校向けの建築設備用排水器材の製造・販売を行う企業で、2024年に創業105年を迎えました。長年にわたり、社会の水回り環境を支えてきた実績を持ち、業界内で高い評価を受けています。主力製品である鋳物製特殊排水継手は、マンションやホテルの排水システムに使用され、排水能力や施工性の高さが特徴です。その優れた性能が認められ、東京スカイツリーをはじめ、多くの大規模建築にも採用されています。特に首都圏、名古屋、大阪などの大都市圏の分譲マンションへの納品が多く、首都圏の超高層マンションにおいては約50%のシェアを占めています。


自社内では販売管理システムや会計システムなどを導入しIT化を進めていましたが、システム単位でデータを保有しているため、システム連携や、異なるシステム間でデータ分析を実施したい場合は、人が各システムからデータを集めExcelで集計するという作業が発生しており、またその作業も属人化しておりました。
取り組み内容
販売管理システムのデータをkintoneへ
今回の補助事業では、販売管理システムや会計システム、請求書発行システムとのシームレスなデータ連携と、各システムのデータをkintoneへ集約することを目指しました。具体的には、販売管理システムで登録したデータを自動的にkintoneに連携し、製造現場や社外でもリアルタイムに受注状況や作業進捗が確認できるようになりました。
■補助事業前の構成

■補助事業後の構成

今後のデジタル化への取り組み
今回の補助事業では販売管理システムのカスタマイズとkintoneの導入により、業務の効率化、データ分析精度の向上、そして顧客満足度の向上を実現しました。今後もkintoneとの連携を強化し、営業・製造・在庫管理のプロセス全体を最適化することで、さらなる業務改善を目指します。また、3年間にわたるデジタル化計画を通じ、月次資料の高度化、部門間連携の強化、そしてAIによる在庫管理の最適化を進めていきます。これらの取り組みを通じ、持続的な成長と顧客への付加価値提供を実現するため、積極的な改善と投資を続けたいと考えています。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
業務の効率化やデータ管理の一元化を進める上で、kintoneは非常に強力なツールです。紙やExcelでの管理から脱却し、業務の見える化やチームの連携強化を実現できたことは、DX推進の大きな一歩です。これからkintoneをさらに活用することで、業務効率化や新たなビジネスの可能性が広がることを期待しています。
令和5年度の成果事例
CASE.01
犬飼建設株式会社様
工作機械の利用状況を把握し作業を効率化
企業プロフィール
課題
工作機械の利用状況を把握すること

当社は1887年より砂利・砂の生産販売を行う砂利採取業として創業し、1960年代より土木工事を手掛けるようになりました。高度経済成長の建設ラッシュで飛躍的に増えた需要を弾みに今日まで建設業界の重要な根幹を担ってきました。100年以上に渡り建設業界に携わってきており、今日では道路・外構・港湾工事など屋外で行う土木工事を主として行っています。

当社の工事現場の特性として1~2日間と短期間で終わる施工箇所が常時5件程度稼働し点在しているため、工作機械を工事現場へ持出すと稼働現場をリアルタイムで把握することが困難でした。また、現場に持ち出した工作機械の探索に時間がかかると、作業の遅延が発生したり、稼働率が上がらなかったりと、会社の売上にも影響がありました。そのため、工作機械の利用状況を正確に把握する仕組みを構築することが喫緊の課題でした。
取り組み内容
身近なITデバイスで稼働状況の見える化
①スマートタグを活用した工作器具の稼働状況把握
スマートタグを工作器具に設置し、スマートフォンやタブレット端末とBluetooth接続できるようになり、スマートタグの位置情報モニタリングサービスで、スマートタグが設置されている工作器具の稼働現場が地図上で一目でわかるようになりました。保守管理の際には、位置状況や稼働現場がリアルタイムに分かるため、作業の遅延や修理コスト増加のリスクを低減することが出来ました。

②工作機械の稼働状況を映像で確認
工事現場で使用中の車に高画質で広範囲の視野を持つドライブレコーダを取り付けました。車両の停車中も常時映像を録画し、工作機械の配置や動きを全体的に映像として記録しています。

工作機械の運転状況や潜在的な問題を、両方のデータを突き合わせ検証することで稼働状況にムダがあれば、より効率的な工作機械の配置へつなげ、稼働率の高い工作機械は計画的なメンテナンスを実施し、予期しない故障によるトラブルを未然に防ぐことが可能です。
今後のデジタル化への取り組み
デジタル化・DX推進が遅れているといわれる建設現場において、工作機械のリアルタイムな位置把握と追跡により正確な稼働率を把握し、利用効率を50%向上させる目標を達成することができました。今後ますます、建設業界もデジタル化が進むと考えられます。当社でも今後は重機のICT化へ拡大し、建設機械のマシンガイダンス(衛星測位システム等で取得した位置情報をもとに建設機械の操縦をサポートする機能)に取り組んでいきたいと考えております。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
身近なITデバイスを活用した中小規模の建設業者における物の管理のモデルケースといえます。また、現場情報を動画として記録しておくことは、現場状況を把握するうえで非常に効果的と言えます。本事業は事業者が身近な製品を活用し創意工夫することで、費用対効果の高いデジタル化ができるという良い事例です。
CASE.02
有限会社中部製作所様
デジタル測定機器による加工データの自動登録とデータ分析
企業プロフィール
- 企業名
- 有限会社中部製作所
- 業種
- 金属製品製造業
- 住所
- 〒456-0058
名古屋市熱田区六番三丁目11の9番地
- 従業員数
- 41名
- 電話番号
- 052-652-5231
課題
加工データ管理や製品合否判定が煩雑で作業者だより
当社は、主に油圧機器部品や工作機械部品を製造しており、少量多品種を短納期で製造することを得意としております。しかし現場での加工データの管理は紙での運用がいまだに残っており、記録として有効ではあるものの、デジタルデータではない為 、集計や分析に手間取っているのも事実でした。

デジタル化への遅れについては、かねてより社内でも議題にあがっており、加工効率の向上や加工機の精度管理を図るため、加工データをデジタルデータ化し、一元管理することが当社の課題でした。
取り組み内容
デジタル測定具の導入とデータの活用
今回のIT化プロジェクトでは、紙ベースの寸法・品質管理を段階的にデジタル化が可能となるよう進めております。
具体的な内容としては、
1.測定具のPCとの接続
従来より使用している測定具に新たに通信機能を付与する事でPCとの接続を実現し、PCでの寸法管理を可能とします。
2.デジタルチェックシート
PC上のチェックシートファイルの指示に従い所定の測定具で測定を実施。この際に、不良品であった場合はソフトより警告が出され作業者はすぐに不良に気づく事が出来ます。
3.データ収集・分析
導入ソフトを使用し、データの収集及び分析を実施し、工程能力や不良傾向を把握し、リアルタイムに現場へフィードバックします。

本事業でのデジタルチェックシートでは細かい寸法や紛らわしい寸法であっても機械が自動判別してくれる為、作業員がミスをするリスクは軽減されました。また、従来であれば作業者が寸法不良に気づかない場合、次の測定までの不良品を作り続ける事になり、時間及び金額面での大きな損失を発生させていました。今回デジタル測定を実施する事で経験が浅い作業者でも自動判別する為、不良を見逃す事がなくなり、上記損失を防ぐ事が出来るようになりました。
今後のデジタル化への取り組み
補助事業実施後の初年度においては、主力部門である製造部門のデジタル化に注力し、紙ベースで効率が悪い品質・寸法管理に特化し改善を図りました。今後は、AIを用いたOCRシステム(PCとスキャナを使用し、手書き文字をデジタル化する仕組み)を導入できればと考えております。今まで蓄積した紙ベースのデータをデジタル化し、データ分析・管理をする事で製造部門におけるノウハウの取得を目指します。
また、製造部門に留まらず、営業部門・物流部門などの各部署のデジタルデータ化を実施し分析する事で、配送効率・営業効率の向上など自社内のあらゆる業務の改善を図りたいと考えています。

デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
自社の業務フローをしっかりと把握した上でボトルネックとなっている業務を自動化・デジタル化したことがわかります。生産性向上と品質向上が図られ中小企業が目指すDXの良い事例です。
CASE.03佐原事務所様
3D 現地測量と3D図面作成で業務を効率化
企業プロフィール
課題
業務の効率化と依頼者ニーズへの対応
佐原事務所は土地家屋調査士、測量、建築設計業務を行う事務所です。
土地家屋調査士、一級建築士の資格を有する代表が専門知識を活かしお客様に寄り添って土地や建物などの不動産に関するアドバイスをしております。
当社の業務時間の約半分を占める図面作成業務では、作図方法が20年以上前より大きく変化しておらず、3D図面を作成する業務は自社で対応できないため、受注機会を逃すケースが出ていました。また、現地測量に2~3人日かかっており、追加要望や測り忘れ、観測ミスによる現場で再測量が必要となるケースもあり、ニーズの高度化と業務効率の向上への対応が当社の課題となっていました。
取り組み内容
高精度3D測量データの活用
業務効率を向上するため 地上型レーザースキャナーを活用し3D 現地測量を推進しました。その結果、現場の「寸法」「色」「風景」など全てのデータをデジタル化することができ、当事務所で注力している広範囲の現況測量を視覚的に分かりやすく、具体的に説明が行いやすいデータを作成し、発注者に提供できるようになりました。

今までの図面は、2次元のため高さを持った樹木、ガードレール、縁石、交通標識等が平面図上で線でしか表現することができす、イメージが湧きにくかったのですが、3D(三次元)データで作成することにより、ビデオ動画を見ているように視覚的に分かりやすいものが作成できるようになりました。
3D 測量データを使用することで普段図面を見慣れていない方にも理解していただけるようになりました。また、様々な角度から境界説明や検討をすることで最終的な落としどころの打ち合わせにつながっております。
今後のデジタル化への取り組み
本事業の実施により3D 測量業務が可能になりました。将来的にはホームページやSNS 上で広く当事務所の取り組みをアピールし、他地域からの業務受注も受けていきたいと考えています。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
3Dデータに関わる技術の進歩は目覚ましいものがあります。3Dデータを取得することは他のアプリケーションへ連携するなど自社の業務効率化だけでなく、顧客へさまざまな付加価値を提供できる可能性があります。本事例は、現場から得られる情報をデジタルデータとして保管しておくことが業務効率化・付加価値向上につながる良い事例です。
CASE.04フジ建設株式会社様
HPの刷新と動画による事業紹介
企業プロフィール
- 企業名
- フジ建設株式会社
- 業種
- 職別工事業(解体工事)
- 住所
- 〒463-0004
名古屋市守山区吉根二丁目3006番地
- 従業員数
- 85名
- 電話番号
- 052-739-1124
課題
当社事業の魅力を発信できていない
当社は各都道府県・政令指定都市において、産業廃棄物の収集運搬業・処分業の優良産業廃棄物処理業者として認定を受けています。施工管理士による安全な解体工事の施工計画に基づき、コンプライアンスに則った廃棄物の処理まで一貫して行えることが、当社の強みです。

解体業界、産業廃棄物収集運搬業務は、社会的な需要があります。その中でより事業を拡大し、従業員の増員を図りながら、事業を拡大していくことが求められているにもかかわらず、当社の事業や魅力を効果的に発信することができていないことが、当社の課題でした。
取り組み内容
ホームページにドローン動画を掲載
課題を解決するために、当社がどのような業務をしているのかを分かりやすく社外に発信するホームページを新たに作成しました。新しいホームページでは、トップ画面に動画をのせております。この動画は、当社が施工したコンクリート造の集合住宅の解体工事をドローンを使用して撮影したため迫力のある動画になりました。その結果、印象に残るホームページとなり、当社の実施する解体工事の施工や産業廃棄物の事業に関するPR、また社会貢献性について広く知ってもらえるようになりました。


さらに、お見積り依頼から現地調査、積算、工事の様子など業務の流れを動画にて紹介しています。動画は入替えができるようにすることで、一定期間で更新して新鮮味や営業戦略に活用する事もできる仕組みにしました。
今回の取り組みで、アナログで属人的な営業活動ではなく、当社がどのような業務をしているかを分かりやすく社外に発信することができるようになりました。


今後のデジタル化への取り組み
今後は、WEB広告、メルマガ、マーケティングオートメーションツールの活用を検討しており、効果的に顧客や人財にアプローチしていきたいと考えております。また、新しいホームページで分かりやすい内容の掲示、発信と合わせ、自社の固定ファン獲得を促進していきます。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
解体工事をドローンで撮影することで迫力のある動画がトップページに置かれ、非常にインパクトのあるホームページとなっています。営業面や人材採用面において効果が期待できるホームページ構築の非常に良い事例です。
CASE.05
酒井鋼管株式会社様
AIによる鋼材カウントで在庫管理の最適化
企業プロフィール
- 企業名
- 酒井鋼管株式会社
- 業種
- 建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
- 住所
- 〒455-0016
名古屋市港区川口町2番16号
- 従業員数
- 24名
- 電話番号
- 052-654-5131
課題
煩雑な在庫管理と出荷前検査

当社は、昭和20年に名古屋市中村区にて各種鋼管・鋼材を加工販売しており、お客様の指定寸法に切断加工して販売しております。平成29年からは3Dレーザー加工も開始しており、鋼管・形鋼に3D加工が可能となることで金型不要で高精度な製品をお客様に提供しております。

3Dレーザー加工を開始したことで、今までの取り扱いの無かった大型のパイプ、形鋼の引き合いも増加傾向にあり、鋼管・鋼材の在庫が増えております。一方で、在庫は現場部署ごとに管理しているため、他部署にどのような材料があるかを把握できていないという問題や、出荷前検査にも時間が多くかかるという問題も顕在化していました。
取り組み内容
AIによる鋼材カウントで在庫管理の最適化
今回の取り組みで、鋼材やパイプなどの束を効率的にカウントするシステムを導入しました。このシステムを利用することで瞬時に本数が把握でき、今まで時間がかかっていた在庫数のカウントや出荷前検査の作業が大きく改善されました。また、カウントした在庫数は、Googleのスプレッドシートに入力し管理することで部署ごとの在庫品種・数量を把握できるようにしました。さらに管理しているデータを大型モニターに映すことで、従業員がだれでも在庫数をすぐに確認でき、部署ごとの材料移動を促すことや欠品を減らすことにつながっています。

今後のデジタル化への取り組み
今後の展望として、鋼材カウントシステムでカウントした本数をスプレッドシートへ入力する作業をRPA等の自動化ツールを利用して、省力化、入力漏れ対策を図るなど、今回の事業を機会にデジタル化を一層進めたいと考えています。
デジタル活用支援マネージャーからのコメント
名古屋市新事業支援センター
中小企業デジタル活用支援マネージャー
小島靖弘
AI技術の発展により画像認識は現在、対象物が何であるかだけでなく、その個数や色なども認識できるようになっています。本事例は、AI画像認識アプリケーションを活用することで、作業効率を図る非常に良い事例です。