先端技術連携リサーチセンター

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「先端技術連携リサーチセンター」では、産業界、大学、公的研究機関など、産・学・行政が連携し、先端技術に関する研究が行われています。ここで培われた研究成果は地域産業を支える資産であり、21世紀の名古屋のエネルギー源として、都市の活性化や市民生活の向上に活用してまいります。

先端技術連携リサーチセンター

施設概要

名 称 先端技術連携リサーチセンター
所在地 〒463-0018 名古屋市守山区桜坂四丁目206番地
敷地面積 24,760m²
構 造 鉄筋コンクリート
延床面積 6,499m²
研究機関 ◆国立研究開発法人産業技術総合研究所、名古屋市工業研究所(共同研究)
◆名古屋大学未来材料・システム研究所、名古屋市工業研究所(共同研究)
◆シーズテクノ株式会社、名古屋市工業研究所、中部大学、名古屋工業大学、
 新光機器株式会社(共同研究)
◆シーズテクノ株式会社、名古屋市工業研究所、中部大学(共同開発)
◆日本FC企画株式会社、立命館大学、豊橋技術科学大学(共同研究)
◆株式会社ROBOSHIN、愛知工業大学(共同研究)
◆公益財団法人名古屋産業振興公社、名古屋市工業研究所、企業(共同研究)
◆輝創株式会社、名古屋大学、豊橋技術科学大学、愛知県工業試験所〔三河繊
 維センター、産業技術センター〕(共同研究)
◆輝創株式会社、豊橋技術科学大学、三河繊維技術センター(共同開発)
開 館 平成11年11月

研究プロジェクトの概要

研究機関名 研究テーマ及び研究内容、研究成果
国立研究開発法人産業技術総合研究所(マルチマテリアル研究部門)
・名古屋市工業研究所

主な研究テーマ

「新規製造法によるセラミックス部材の高度化」

研究内容

○セラミックス繊維の製造コストを削減するため、安価な原料を用いた新規製造法を開発しています。プラズマ処理によるポリマーの表面改質も検討しています。

○優れた特性を持つナノ構造のセラミックス粒子の新規製造法を開発しています。
化学気相析出法を用いて作製した中空粒子によって、触媒機能や光学特性の向上を目指します。

研究成果

○ポリマーを不融化させるためのプラズマ処理条件の最適化が期待されます。

○化学気相法を用いて作製した中空粒子と従来の液相法を用いて作製した中空粒子について、構造や特性の違いを評価しました。

国立研究開発法人産業技術総合研究所(マルチマテリアル研究部門)
・名古屋市工業研究所

主な研究テーマ

「 バイオマスナノファイバーを用いた機能性樹脂複合材料の開発」

研究内容

○セルロースやキチン、キトサンはバイオマスから得られる持続可能型材料であり、そのナノファイバーは炭素繊維に匹敵する強度を有します。本研究では、このようなバイオマスナノファイバーと樹脂の効果的な複合技術を確立し、高機能な複合材料の開発を目指します。

○バイオマスナノファイバーと樹脂を複合化するプロセスの簡略化を目指します。

研究成果

○セルロースナノファイバーやキチンナノファイバー、キトサンナノファイバーを用いた低環境負荷な機能性複合材料の開発が期待されます。

○得られた樹脂複合材料は、構造材料や塗料用材料、接着剤としての応用が期待されます。

名古屋大学未来材料・システム研究所
・名古屋市工業研究所

主な研究テーマ

「環境技術への電気化学の展開」

研究内容

○次世代自動車等への応用が期待される燃料電池(※)や二次電池について、電解質や電極などの電池本体の開発から、効率よく発電するための制御システムの開発まで幅広いテーマで研究を行っているほか、電池本体の性能評価技術の開発を行っています。

○令和4年度は、電池部材としてナノ構造を持つ炭素材料を対象にした高耐久性材料を開発します。また、微生物を応用した電池型環境浄化装置の開発を進め、下水処理に応用します。

※ 燃料電池:燃料となるガス(水素)や液体(メタノール、エタノールなどアルコール)から電気化学反応を用いて、電力と熱を発生する次世代の発電装置のことです。

研究成果

○新規ナノ炭素材料を用いた燃料電池や二次電池部材を試作します。

○次世代燃料電池として微生物を応用した電池型環境浄化装置の実用化を進めます。

○今後も、燃料電池や二次電池材料の研究開発により新しい材料の実用化を進めます。また、適用可能範囲を広げ、様々な分野に応用範囲を広げます。

○応用の一例として、全固体リチウムイオン二次電池にグラフェン炭素を用いた新しい負極材料の開発を進めています。

名古屋市工業研究所
・国立研究開発法人産業技術総合研究所(マルチマテリアル研究部門)

主な研究テーマ

「新規製造法によるセラミックス部材の高度化」

研究内容

○プラズマを用いたポリメチルシルセスキオキサン(PMSQ)系繊維の不融化処理法開発:PMSQ繊維の焼成が困難な原因は、150℃付近で起きる溶融であり、繊維表面を固化して不融化できれば焼成可能である。この繊維表面を固化する方法として、プラズマ照射と不融化可能な有機ガス暴露の組み合わせによる不融化方法の開発を提案し、研究開発を遂行する。

○気相法を利用したセラミック中空粒子のプロセス開発:これまで中空粒子の合成は液相法が主流であったが、適用可能な材料系や構造制御性には限界があった。本課題では、液相法だけでなく、気相法によりテンプレート粉末(セラミックまたはポリマー)に対してTiO2などのセラミックス薄膜の成膜を試み、化学処理/熱処理を施すことで、中空構造を有する高比表面積で高活性な光触媒粒子を開発する。

シーズテクノ株式会社
・名古屋市工業研究所
・中部大学
・名古屋工業大学
・新光機器株式会社

主な研究テーマ

「グラフェンの大面積・低温・直接成膜とその超広帯域透明導電基膜、高効率太陽電池、蓄電池および燃料電池への応用」

研究内容

○炭素の2次元結晶グラフェンは、銅の100倍以上の導電性と10倍の熱伝導性を持つことから、機能性材料や放熱部材料ばかりでなく、 光のように質量を待たない電子により、非常に高い移動度を持つので、超高周波や光デバイスとして、次世代のデバイスへの広い応用が期待されています。そのグラフェンを、マイクロ波プラズマCVDにより、半導体、ガラス、プラスチックフイルムに低温で直接成膜できる技術を開発したので、それを応用したグラフェン超広帯域透明導電膜、高効率太陽電池、蓄電池および燃料電池の技術開発を行います。

○令和3年度は、半導体にグラフェンを直接成膜して、そのグラフェンによる車載用の高効率な太陽電池と、蓄電池および燃料電池の技術開発を行います。

※ グラフェン:カーボンナノチューブと同様に炭素原子が結合した材料であり、厚みが原子1個分の二次元構造をもつ薄膜状材料のことです。

研究成果

○これまで、グラフェン成膜用のマイクロ波励起の表面波プラズマCVD装置を開発し、特性の良いグラフェン結晶を作成でき、超広帯域な透明導電膜を開発することができました。令和2年2月名古屋市工業技術グランプリ名古屋市工業研究所長賞受賞。

○今後は、さらに特性の良いグラフェン膜を活用することにより、高効率太陽電池、効率の良いバッテリーや燃料電池用の触媒電極そして放熱基板として応用できると考えています。

シーズテクノ株式会社
・名古屋市工業研究
・中部大学

主な研究テーマ

「グラフェン電極を用いた大容量全固体リチウムイオン電池の研究開発」

研究内容

炭素の2次元結晶グラフェンを活用した2次電池の研究開発

日本FC企画株式会社
・立命館大学
・豊橋技術科学大学

主な研究テーマ

「次世代自動車・ドローン用燃料電池に係わる研究開発」

研究内容

○次世代自動車・ドローン用の燃料電池(※)と水素タンクの高性能化・高耐久性化・低コスト化を目指したセル部材・タンク部材およびその製造装置・性能評価装置の研究開発を実施しています。

○令和4年度は、燃料電池の高耐久性に向けたMEA・ガス拡散層の量産化技術、金属セパレータのDLC被覆の可能性を検討します。また、水素タンク用材料の耐久性評価のための10MPa水素圧変動型疲労試験機の汎用化を検討します。

研究成果

○これまでの研究成果としては、金属セパレータの高耐久化技術、MEAの高酸素拡散化の技術を研究開発しました。

○高圧の水素圧変動型疲労試験機の汎用化を図ります。

※ 燃料電池:燃料となる水素ガスから電気化学反応を用いて、電力と熱を発生する次世代の発電装置のことです。

日本FC企画株式会社
・豊橋技術科学大学
・上海交通大学
・大日本印刷株式会社
・斗山重工業株式会社
・立命館大学

主な研究テーマ

「水素・燃料電池技術に関する研究開発」

研究内容

○燃料電池自動車(FCV)・燃料電池ドローン(FCD)用のMEA・金属セパレータ・電解質膜・ガスケットなどのセル部材およびその量産技術の研究開発を進めてきました。また、令和4年度より「PEFC高酸素拡散MEAの製造技術」「高圧水素圧変動型疲労試験機の汎用化」をテーマにNEDO事業に参画しています。

○令和4年度は、PEFC高酸素拡散MEAの研究開発、PEFC金属セパレータ用DLC被覆の研究開発、ガス拡散層の研究開発、高圧水素圧変動型疲労試験機の研究開発を実施します。

研究成果

○PEFCのセル・スタックに関して、金属セパレータ、ガス拡散層、MEAに関して、各種耐久性試験を介して、関連会社の技術開発に貢献してきました。また、FCV用水素タンクに関して、水素圧変動型疲労試験機の3号機を開発しました。

○今後は、PEFCのセル・スタックに関して、金属セパレータ、ガス拡散層の量産化技術の研究開発への展開、また、水素圧変動型疲労試験機の超高圧化への展開を図ります。

株式会社ROBOSHIN
・愛知工業大学

主な研究テーマ

「ロボットの作業軌道の自動生成とロボットキャリブレーション」

研究内容

○従来の産業用ロボットでは、ティーチング作業が必要でしたが、ロボットビジョンを用いることで外界環境を認識し、作業軌道を自動で生成することができるようになります。また、ロボットを絶対座標値で制御できるようになると、組み付けなどの精度を要求される作業にも応用することができます。

○3Dカメラと2Dカメラを用いたピッキング作業でのワークの位置推定、プレース位置までのロボット軌道を自動で生成し、ティーチング作業の低減を目指します。

○令和2年度は、高所作業環境での組み付け作業ロボットへの応用や、工業製品等の高精度な組み立て作業ロボットへの応用・それらを用いた複数ロボットの制御等を目指します。

研究成果

○これまで、キャリブレーションについては、自動車組み付け関係のロボットへ応用を行いました。

○令和元年度は、複数台のロボットに共働で作業させる場合に、ロボット座標系を統一するためのキャリブレーションの研究と実験を行いました。

○今後は、複雑なピッキング作業への応用や、複数ロボットの組み付け作業への応用が期待されます。

株式会社ROBOSHIN
・愛知工業大学

主な研究テーマ

「ロボットの自動軌道生成とロボットパラメータ推定による高精度動作の確立」

研究内容

○従来の産業用ロボットでは、ティーチング作業が必要でしたが、ロボットビジョンとシミュレーションを用いて、認識した外界環境を基に衝突回避やロボットの最適な作業軌道を自動で生成することでそれらの作業の少人化・省力化が可能となります。

弊社は絶対座標でロボットの制御を行うシステムの構築を行っており、ピッキング作業で計算値を基に軌道生成を行っても実機ではその通りに動かない等の問題の解決を行ってきました。さらにシステムをブラシアップすることで、精度が求められるティーチング等での作業量の低減が可能となります。

○令和5年度は、工業製品等の高精度な組み立て作業ロボットへの応用、自己位置推定と自動軌道生成を用いた複数ロボットの群制御等の実機実装、また、より現場への普及を目指したより安価なビジョンを用いたシステムの開発を目指します。

研究成果

○自動車組み付けや溶接関係のロボットへテスト応用を行いました。

○環境認識と自動軌道生成を組み合わせたシステムが工事現場で実証実験されています。

○今後は、複雑なピッキング作業への応用や、複数ロボットの協調作業、安価なビジョンを用いたシステム構築等への応用が期待されます。

(公財)名古屋産業振興公社
・名古屋市工業研究所
・企業

主な研究テーマ

「プラズマ技術の産業応用」

研究内容

○中小企業等に対してプラズマ(※1)技術の普及啓発、可能性トライアル(※2)等を活用した技術課題の解決、生産性の向上、製品化支援を行っています。

○液面プラズマによる溶液中にある粒子の分散性の改良や水溶液の改質などに取り組んでいます。

※1プラズマ:気体の温度を上げたり、電界をかけたりすると「電離」が起こり、中性分子と正イオン、電子が混在した非常に活性化した状態となったものです。

※2可能性トライアル:企業の技術的課題等を解決するため、公社研究者と共同で取り組む有料トライアル制度です。

研究成果

公益財団法人名古屋産業振興公社 産業応用課ホームページをご参照ください。

輝創株式会社
・名古屋大学
・豊橋技術科学大学
・愛知県工業試験所(三河繊維センター、産業技術センター)

主な研究テーマ

「異種材料接合用金属表面処理技術の開発」

研究内容

○各種金属に応じた特殊混合粉体を金属表面にレーザクラッディングして微細な凹凸形状を形成し、プラスチック等との接合に用い、各種金属材料に適した混合粉体の研究開発と接合技術の研究開発を行っています。

○令和4年度は、あいち重点領域研究プロジェクトにおいて「革新的マルチマテリアル接合による軽量・高性能モビリティの実現」研究を実施しています。

研究成果

○アルミ用混合粉体及びペースト化に成功し、曲面への隆起微細構造の形成を実現しました。

○今後は、鋼材用混合粉体の開発およびペースト化します。

○令和4年度は、輸送用機器への本接合技術を用いた複合化部品を採用します。

輝創株式会社
・豊橋技術科学大学
・三河繊維技術センター

主な研究テーマ

「ペースト(CAM剤)を用いた異種材料接合技術の開発」

研究内容

2つの接合メカニズムを用いた異種材料接合のためのペースト及び接合技術の開発

研究団体へのリンク

お問い合わせ先

名古屋市経済局 イノベーション推進部 次世代産業振興課
名古屋市中区三の丸三丁目1番1号
電話(052)972-2419 FAX(052)972-4135